ハウスキーパーの締めくくりに入りました。解説部分で疲れ果てましたが、スチュワードも控えているので手を抜けません。「後で翻訳すればいいや」と骨組みを作ってきましたが、その後がもう無いので、不退転の覚悟で一個ずつ潰しています。
個人的に面白かったのは、「どうしてコックではなく、ハウスキーパーが保存食を作るか」という問いに対する答えらしきものを見つけたことでしょうか? ひとつには熱と蒸気が篭るキッチンはその作業に向かない、だからハウスキーパーの管轄にあるスティルルーム(蒸留室)で作業した、との回答がありますが、納得は出来ませんでした。
コックがキッチン以外で作業すれば済むことのように思えるからです。
そこでいろいろな本を見ていくと、ハウスキーパーの仕事には「旬の食材を把握する」ことも含まれるのに気づきました。現代のように流通が発達せず、冷蔵や冷凍技術も低かったヴィクトリア朝においては、旬を逃せば、その食材を入手するのは困難でした。ハウスキーパーは旬の食材を調達すると同時に、「旬の時期を過ぎた食材も使えるように」、保存食を作る役目を担ったのではないか、というのが久我の結論です。
以前読んだ本(確か『イギリス手作りの生活誌』?)では、「冬の間に食べさせるエサが無い」と言う理由で、飼っている豚を殺し、保存が効くベーコンにしたとありました。こういう観点で屋敷の流通を見るのは、面白いです。
その辺りは、スチュワードの項目でより深めようと思います。