※この日記は「『英国メイドの世界』で描けること・描きたいこと」の一項目です。
活動の背景と経歴
私(久我真樹)はヴィクトリア朝を中心にした第二次世界大戦直前までの間に、英国社会で幅広く雇用されたメイド、一部の中流階級と上流階級で雇用された執事やハウスキーパー、ガーデナーといった使用人の仕事内容と役割、日々の暮らし、働き方、そして人生を調べています。
私は大学における歴史研究者ではありません。社会に出てから趣味で研究を始めました。学生時代から創作やTRPGを行っており、その舞台として、英国の屋敷を調べ始めたのがきっかけです。中学時代から、NHKで放映したドラマ『名探偵ポワロ』やアガサ・クリスティー作品を通じて屋敷に強い関心を持っていました。
しかし、当時の和書では屋敷の生活面での資料が著しく不足しており、知りたいことが得られませんでした。そこで英語の勉強にもなるだろうと英書に手を出し、参考文献を軸にどんどんと広げていったところ、すっかり資料探求にはまってしまいました。そこから、私以外の方にもこの領域に関心を持つ方が多いと思い、英書を中心にした研究書・使用人自身の自伝をベースに資料を同人誌として発表してきました。2001年の初刊行から2010年09月現在までの間に17冊を作り、累計頒布数は1万冊を超えました。
2008年夏にはこれまでの同人誌をまとめ、さらに加筆を行った『英国メイドの世界 ヴィクトリア朝の暮らし総集編』を刊行しました。講談社BOX版の前身となるこの総集編は1冊1kgあり、合計で1.4トン刷りました。この本を質的に高め、もっと多くの方に読んで欲しいと、2008年09月に出版社にアプローチし、2008年10月末に講談社BOXからの刊行が決定し、2年間の準備を経て、2010年11月にようやく刊行できる運びとなりました。
他に、私が作った同人誌が『図解メイド』の参考文献に(2006/04/26)なったり、2004年から私が紹介していた英国のドキュメンタリー『MANOR HOUSE』が2007年に日本で販売された際にはDVD『MANOR HOUSE』の副読本のSpecialThanksに載ったり(2007/05/25)する経験をしました。
2009年には日本ヴィクトリア朝文化研究学会に入会し、2010年にはメイドブームの受け手についての考察を会報誌へ寄稿しました。
私は同人の場に育てられた立場であり、またメイドや執事、屋敷を好きな方々に出会うことで、この趣味を続けられました。出版ではメイドの可能性を広げると同時に、これまでにかかわってきた方々への恩返しと、同人活動を行うひとりとして、同人の持つ可能性の一つを広げたいと思っています。
略歴と同人イベント参加についてはプロフィールに掲載しています。
他に、毎年年末年始に振り返りをしているので、ご参考まで。
2008年ニュース・自分の身に起こったこと(2009/01/01)
2009年振り返りと2010年の抱負(2010/01/01)
ウェブ上の活動
2001年ぐらいからSPQR[英国メイドとヴィクトリア朝研究]と題して、製作プロセスや資料紹介を行ってきましたが、現在、同サイトは開店休業中です。
この日記「ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん」は、2004年から上記ホームページの日記を移行したもので、その時々に興味を持ったものを書いています。
日記はテーマが分散しているため、現在は資料情報サイトSPQR[英国メイドとヴィクトリア朝研究]を立ち上げ、これまで接してきた資料の紹介や、この領域に絞ったテーマでの情報をストックして、更新を続けています。