ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

Jコミを自分なりに整理してみる

昨年から電子書籍について考察をしてきました。私は同人をメインの場としており、どちらかというと「今のプロ作家が、電子書籍の時代にどう対応するか」というより、「アマチュア個人が表現の機会と代価を得ることで、より創作に時間を割ける環境をつくること」に興味があります。



とはいえ、出版社と作家の関わり方には関心があり、出版から完全に電子書籍に切り替わった場合に最も大きく変わる要素、「著者はいつ、対価を受け取れるか」という点の解消を行うビジネスモデルがいつ出るのか、注目していました。


電子出版だけになると著者は出版の代価をいつ受け取れるのか?

昨年出版した私の本の場合、「印刷した部数」から印税を受け取り(契約書に基づく期間内で支払われます)、仮に印刷部数の10%しか売れなかったとしても、私の取り分は保証されています。(契約形態によって成果報酬となったり、入金タイミングも出版社との契約内容によりますが、正確な比率は分かりません)



電子書籍の場合、刷り部数が存在しません。絶版が無くならないとしても、「売上部数」に報酬が比例する場合、作家が最初に受け取る報酬は保証されません。毎月一定数売ることができる作家ならば、増刷のタイムラグも絶版もないので支払間隔も短くなってメリットが生じるでしょうが、最初にまとまった金額が受け取れない形態は、作家にとって不安定化を意味します。



(出版社を介さないで)事前に一定の金額を得る形のビジネスモデルは、私が見る限り、すべてのクリエイターへ贈る、ファン獲得と創作活動支援のための、マイクロ・パトロン・プラットフォーム "CAMPFIRE"の「ファンによる支援」か、作家自らがファンと繋がって活動資金を得る枠組みを作り上げている岡田斗司夫さんのオタキングexを知っているぐらいです。


Jコミの可能性

去年11月ぐらいからアクションが見え、最近話題が盛り上がっているJコミについて書こうと思っていましたが、自分のことで手いっぱいで今更になりました。



Jコミはクリック数を保証した広告掲載を行うことで、先にある程度の金額を確保して、「事前に代価を得る」ポイントをクリアしています。現在、先に原稿料や印税を支払えるのは出版社やメディアなどで限られていますが、そうした企業では社員や設備コストを負担する分、必ずしもコンテンツ製作者が大きな代価を得られるわけではない構造があります。



Jコミのモデルは、この社員や設備コストといった要素、さらには今時点では絶版書籍に絞ることによって「編集者」の存在も不要としてコストを抑え、コンテンツを提供した作家になるべく多くを配分する構造だと考えます。



今時点でインフラ周りの費用負担はJコミのTOPに出ている広告枠の収益に依存するとのことで、収益で賄い切れない場合は、Jコミ社長の赤松健さんの負担となりますが、自分が好きなことを出来る環境、プロデュースの機会を得る部分と、事業としての継続性はどうなのか、というところが今後見えてくる部分なのかと思います。



私の結論としては、赤松健さんの「作品に光が当たり、著者が活動を続ける機会を生み出していくプラットフォーム作り」という着想が大好きなので、応援しています。ある種、出版社・雑誌の創刊、というところに似たスポンサー集め、ビジネス作りですので。



今回、勉強を兼ねて、Jコミを自分なりに整理してみます。



※注:Jコミへの言及は時期的に出遅れているので、他の方がブログで既に指摘されている点とかなり重複があります。なので、これまで積極的にチェックされている方は、読む必要がないかもしれません。「自分が理解する」ために整理している点(書きながら調べて、調べることで考察する)、ご了承ください。


外部から見たお金の流れ=Jコミとウェブメディアの類似

Jコミは絶版書籍を電子書籍化するモデルです。お金の流れはコンテンツ無料のネットメディアに類似して、広告掲載(純広・PDFに掲載)、広告ネットワーク(Google連動広告)、そしてアフィリエイトAMAZON)の3つを軸にしています。ネットメディアとの違いは、コンテンツがニュースなのか漫画なのか、という点です。



他に収益モデルがあるとすれば会員課金(ニコニコ動画)、コンテンツ販売(AMAZONなどECサイト、携帯電話コンテンツ販売)、プラットフォーム提供(楽天市場AMAZONapple)、ウェブ以外に換金手段を持つメディア(新聞購読者、雑誌など)、ニュース配信提供などが挙げられます。(今回は携帯電話での電子書籍を扱いませんが、電子書籍の(なかなか)明けない夜明け第1回 携帯電話で成長できた日本の電子書籍市場などを参照)


広告営業

一番大きいのは、「会社化する窓口」が出来ることで、「企業からの純広告を受注できる」点だと思います。企業の純広告は金額が大きいものの、作家個人が直接受注するのは、難しいことです。ネットメディアでも純広告を売るには営業や運用者が必要となり、コストがかかっています。



Jコミは「大きな金額の広告を受注できる」窓口として機能します。



そして、Jコミでは最も換金効率がいい広告掲載を、広告代理店を利用して行い、コストを下げています。広告掲載基準のチェックや入稿管理なども任せているとすれば、Jコミで必要な人件費はより抑えられます。PDF掲載の場合は一度きりですし、ウェブの枠では入稿者が設定を変えられるとのことで、自分たちの負担はありません。



ネットメディアのいくつかは、基本的に営業社員が不在で、手間もかからない広告ネットワークの配信に依存し(GoogleやOvertureなど)、ページビューを上げる=収益化という構造をしています。その点でJコミもページビューを上げていくことが、収益向上に繋がるとは思いますが、現時点ではTOPだけの配信なので、この部分が機能しているかは分かりません。


インフラコスト

巨大なファイルを扱う点で、ネットメディアよりもコンテンツによるトラフィック増大があり、Webサービスの利用コストが増します。動的に対応して一過性のトラフィック集中もさばける低コストなWebサーバーサービス(AWSなど)に出すことで対応は行えても、コストはかかります。



Jコミがはじまる前から成功している理由にコストの推計値が出ているのを見ると、120万ダウンロードで30万円という試算で、この金額は、それほど高額ではないようです。


人件費はある程度かかっている様子

人件費的なものは、次のインタビューに出ています。




── Jコミには、何名の方が携わっておられるんでしょうか。

赤松 実際にプログラムを作ってる会社とWebデザインの会社を除くと、わたしを入れて5人です。Google グループでディスカッションして、サーバもAmazon EC2ですし、全部クラウドで。部屋とかサーバとか、いわゆる設備はまったく持っていません。いかにも現代的ですよね。社員の中に1人だけ、一度も会ったことがない人がいます(笑)。

Jコミで扉を開けた男“漫画屋”赤松健――その現在、過去、未来(前編)より引用



アウトソーシングをしつつ、フルタイムで5人、というわけではないと思いますが、インフラ以外にも一定のコストがかかっているようです。



また、Jコミの衝撃と期待と課題や、「Jコミ」について(勝手に)語ってみよう。にあるように、権利者交渉(コンテンツを増やす意味での営業)や校正のコストなどをどう解決していくのか、気になります。


余談

上記エントリのasakura-tさんとGiGirさんをJコミ周りではチェックしていると、分かりやすく状況を把握できると思います。恥ずかしながら、エントリを書いてから「あ、他の方が書いているかも」とチェックして、気づきました。



■asakura-tさん
「Jコミ」の成功条件(2010/12/11)

そろそろJコミについて語っておくか(2011/01/10)



■GiGirさん
Jコミは零細漫画家を救うか(2010/11/30)

Jコミβ2についてあれこれ(2011/01/26)


他のウェブ漫画無償モデルとの比較

ネットに無償の漫画や小説を置くモデルは、ガンガンONLINEスクウェア・エニックス)や最前線(星海社)などがあります。これらメディアは雑誌の役割をウェブに置き換えつつ、今時点のメイン収益は紙コンテンツ(漫画・文庫)です。若干、アフィリエイトがありますが、他企業の広告は入れていません。収益の根幹は、既存の流通経路での「コンテンツ販売」です。(星海社はイベントも収益の柱の一つに。朗読→ライブ→映像の商品化など)



ページビューが上がることは望ましく、コンテンツと読者の接点を作る上でも利用者増加は好ましいことですが、極端に上がりすぎるとトラフィックの分でコストが増加しますし、すぐに換金に繋がるわけではありません。



一方、Jコミの場合、掲載コンテンツは既存の流通経路での販売が行われない絶版を軸にしています。絶版書籍の場合、中古で入手したとしても、著者にお金が入る形はまずなく、違法コンテンツとしてアップされてしまうこともあります。電子書籍化してダウンロードコンテンツとして販売する道もありますが、電子書籍を「売る」方法は、新刊や著名な作家でも現時点で難しい印象があり、配信プラットフォーム利用料もかかるので、作家の取り分は減ります。



PR・宣伝できる人であれば、同人コンテンツメインのDLSiteや、パブーで、ある程度、利益を得られるでしょう。著者取り分が70%なので、10%の印税に比べれば1/7の部数で済みます。しかし、会員登録による決済や入稿の煩雑さ(パブーの場合、私の見た範囲ではページごと入稿であまりにも面倒くさい。DLSiteはPDF入稿可能も、コピー防止的な処置をするとユーザーの使い勝手が下がる)、そして違法コピーの発生についての解決策になりません。


著者が公開時に利益を得る大きな意義

Jコミは絶版書籍をコンテンツとして換金化し、著者にお金を流すフローを作り上げ、また無償化することで違法コンテンツを選ばずとも、閲覧する道を築き上げていったといえます。



特筆すべきは、冒頭で取り上げたように、PDFへの広告掲載モデルを持つことで、公開時に著者が報酬を得られる点です。売れた分しかお金が入らない成果連動方式に比べると、これは大きなメリットです。個人レベルでJコミに掲載された新條まゆさんの読み切りに52万5千円の「純利益」を得ました。



50ページの読み切りの場合は通常、単行本化もされません。100円でダウンロード販売して70%の利益(70円)を得るとしても、7500ダウンロード必要です。有料になって、それだけダウンロードが期待できるかは作家によりますが、ハードルは相当高いと思います。これを先に得られるのは、大きいです。



7500以上の代価を得られなくなりますが、出来る人は自分でやっていると思いますし、広告クリックの保証数を満たせば掲載を取りやめられるとのことです。




Q.このサイトでは、作者が一旦自作品の掲載許諾を出したら、もう一生解除はできないのですか?

A.コンビニ版や文庫版が出るなどの理由で、作者が削除を要請してきた場合、Jコミでは即刻削除となります。広告の規定クリック数を達成していれば、広告料金の返金も必要ありません。ただし、すでにネットに出回ってしまった分の回収は不可能です。

【 FAQ (よくある質問) 】より引用





ウェブメディアとしてJコミを捉えると、中間が少ないです。通常のメディア企業では「コンテンツを作った人」(ライター)の報酬は抑えられ、「広告報酬」は企業維持に使われてバランスが悪くなりがちですが、企業維持のコストは極力下げているので、コンテンツを作る作家の取り分が高額になります。




Q.取り分が0%ということですが、会社維持の方法はどうなさるのでしょうか?



A.TOPページの広告で凌ぎたいと思います。



【 FAQ (よくある質問) 】より引用

広告モデルのリスク

競合は「あらゆるメディア」

とはいえ、他の広告メディア同様、競合や広告掲載の陳腐化が生じると、広告の値引き競争になる可能性があります。個人的にはJコミでこのモデルを独占した方が、広告の価格競争が起こりにくく、作家の取り分は維持されるのではないかと考えますが、赤松さん自身は「特許」で防衛する意思を見せられています。




深水 『Jコミ』さんがやっていることって、本来なら出版社さんがやるのが自然だと思うんです。もしかするとこの『Jコミ』のモデルを丸ごとパクって誰かに持って行かれる可能性ってあるんじゃないですか? 例えば出版社さんが「やっぱりうちがやりますよ」とか。

赤松 30%くらいの手数料を取ってですか? それがですね、『Jコミ』は特許を申請してるんですよ。通るかどうかは分かりませんけど。通るまで何年もかかりますし。

深水 どういう特許を申請しているんですか?

赤松 それはノーコメントです。とりあえず、他が「手数料をとってJコミと同じビジネスをやる」という場合、漫画家の利益がその分減っている。だったらうちが”0%”で全部請け負います。これに勝つのは、事実上無理ですよね。

300万ダウンロード突破『Jコミ』が目指すもの - 赤松健インタビュー(後編)より引用



仮に同一のビジネスモデルで漫画領域に参入する企業がないとしても、ビジネスモデル的にネットメディアと変わらない点で、今後、広告効果をどう評価するかで、広告主から他メディアと比較されるのは避けられず、広告の値段が下がる可能性はあります。今のところ、「クリック保証」となっていますし、保証した数字以上を出しても追加料金はかからないといいますが、ウェブ広告ではクリック保証から収益に繋がるクリック後の購買・成約率の方が問われているので、費用対効果を高める部分で、今後の数字が気になるところです。



とはいえ、必ずしもすべての広告主が購買・制約を目的とした広告を出すわけではなく、認知を目的としたクリックでいい広告ならば話は違ってきます。どのような商材が合うのかも試行錯誤の途上でしょう。


掲載広告

今のところ、『放課後ウェディング』の広告は、オーネット(楽天:結婚相談:結婚チャンステスト=アンケートの回答)、ポイントタウン(GMO:ゲームの新規登録)、ラテールゲームポット:ゲームの新規登録)と、成果指標が追いやすいものになっています。結婚を題材にしているマンガなので結婚相談所の広告というのは分かりやすく、誘導先がアンケートなので、敷居を下げているようです。



『交通事故鑑定人 環倫一郎』では、ドル箱(オズビジョン:ゲームの新規登録)、保険スクエアBang!(ウェブクルー:自動車保険見積り)、ウィルスバスター(トレンドマイクロ:ウィルスソフト:購入か体験版ダウンロード)、ぽすれんぽすれん:レンタル事業の会員登録)となっています。



最近公開の『ベルモンド』は、じゃらんリクルートiアプリ購入)、パブー(paperboy&co:電子書籍プラットフォーム)、ウィルスバスター、ドル箱、オーネットとなっていました。



広告主の傾向を見るとマッチングできそうなテーマのモノはその広告を入れていますが、初回ということで「マンガと広告」の相性を見ているところでしょう。他は認知目的というか、ネットユーザが気軽に始めやすいサービスが主です。個人的には電子書籍と相性がいいはずなので、アプリ販売とブクログのパブーのCMが適切に思えます。



他にAMAZONアフィリエイトがあり、こちらは作者ごとにIDが決まっており、AMAZONオススメや作者の本などをアフィリエイトする方式です。今のところ、ここが変動分でしょうか。『ベルモンド』の場合、参考書籍・関連書籍っぽい本の紹介もしているので、ある種、漫画を書籍のプロモーションとしてあえて使っていくビジネスモデルも出来るかもしれません。



私も自分の本の広告を出したら効果どれぐらい出るのかなぁと興味がある方です。広告費は自腹での負担になりますが。


その他気になること

仮にこれからJコミが規模を拡大した場合、人件費を抑えて業務が回るのか、というところが問われます。先述したFAQにあるように、まずJコミサイトTopの広告枠だけで運用するのは難しいように見えます。事業を広げる意味で社員を増加させるか、社員を雇用してより事業を拡大できるのか、というところでいえば、まだ作品を集める段階か、収益バランスが悪くても赤松さんの意思で継続していくところかもしれません。



"新條まゆさんの読み切りに52万5千円の「純利益」"との記述は目立ちますが、これほどの額が1つの作品で入るのは1回限りです。漫画家にとってメインの収益源にならないものの、「ファンは絶版作品が読める」「漫画家は絶版漫画をもう一度発表する機会&お金を得られる」というところで、メリットは大きいはずです。他にも、額としては事前の広告掲載よりも少ないはずですが、AMAZONアフィリエイトでの継続的な収入も生じます。


今後の展開の想定

今後、収益化の窓口を増やす意味で、会員制度を導入して購買を可能にするかどうかですが、これは今よりも遥かに管理コストがかかりますし、個人情報管理やサポート対応なども求められて人件費がより高くなるので、行いにくいです。前述したブログでのエントリに同感で、Jコミは中間のコストを極力抑えています。



現在の収益モデルを見ていくと、他のネットメディアと同じくページビュー(ダウンロード含む)を上げる方向に進み、また広告との親和性が高いコンテンツも必要に思え(セグメントされたユーザー)、その為にコンテンツをどんどんと増やし、幅を広げることになるかと。



とはいえ、事業運営費を何らかの形で捻出する部分が増えないと、作品が増えてコストも増えて、というところで継続性が難しくなると思います。



スポットの広告では観光協会や、映画・書籍コンテンツの広告手段として、成立して広がっていくと面白そうです。それこそ、グルメ系の漫画でレシピサイトへ会員登録や実際のお店に行く、通信販売する(ワインとか)などもあります。コンテンツツーリズム的なところも、惹起しやすいのかなと。漫画に限らず、小説やガイドブック、雑誌のバックナンバーなどでもいいような気がします。(そういう意味で、「特許」なのかもしれませんが)



コンテンツが多いからユーザーが集まり、広告モデルの収益が成立して事業が続くことが、未来図でしょうか。個人的には「作家個人が企業から広告を受注することができるモデル」として、継続して欲しいです。


作家の対応と理想的な絵図

絶版書籍があり、自分でプロモーションを行うつもりがない場合は、Jコミのプラットフォームに乗ることは特にリスクにならないですし、再販の可能性がないならば、Jコミのモデルに乗るのは大いにありだと思います。



一方、宣伝による集客と入稿が求められるコンテンツダウンロード形式で利益を自ら出せるのであれば、自分で行う方がいいと思います。Jコミが「コピーされるのを前提」にして収益化を行うのに対し、こちらはそうではない部分もある点で、コピーコンテンツへの懸念は残り続けますが。



たとえば個人電子書籍プラットフォームでは著者取り分が70%あるような場合、発想を逆転すれば、紙で売る場合の1/7の部数で紙の印税10%の場合と同じ利益を得られます。電子書籍の今時点の部数自体は非常に少なく見えますが、1/7でいいとの割り切りをすると、随分、気持ちが違います。



私個人の理想として、作家とファンを作品による収益だけではなく、作家活動を支援する(「次の作品を作る時間を確保する」)システムが欲しいと思っています。1000人のファンが毎月300円(3000人のファンが100円でも)出してくれるシステムです。作家にとって創作に必要なのは、「創作に時間を費やせる環境=他の仕事をしなくて済む」ところで、現在の出版による収益モデルでは、1000人のファンがいても出版できませんし、商品がなければ、購買による作家の支援をできません。



有料メルマガモデルが最もこれに近しいものですし、方向性として期待しているのは、冒頭で取り上げたcamp-fire.jpなどのモデルです。この辺りの理想の整理は次回に。



河野武さんのハブメディア(HubMedia)・プロジェクト始動が、電子書籍云々というより、ウェブ全体でどのようにビジネス化を行い、対価を得るかに注力した構想を描いているので、個人としては、これも理想のひとつになります。



いずれにせよ、表現で食べられる比率を上げたい人にとって、いろいろなパターンを組み合わせるのが良いと思いますし、その選択肢が増えていることは確かです。


補足


asakura-t 1000人から300円を貰い「続ける」のは難しそう。……いや、事前に「有名人」になってればそうでもないか。あるいは300人から1000円のほうがまだ見込みがあるかな。// id:y_arimさんを見てる感じでは難しそうだけど。 2011/02/11

http://b.hatena.ne.jp/asakura-t/20110211#bookmark-29737625



ご指摘のように、「有名人」になってからのモデルですね。雑誌で漫画連載をしていた方のファンなど、あるいは金額を下げていくかなど。単独の収益源というより、収益源を増やす選択肢として。ファンクラブみたいなものですね。



この辺り、少し違ったアプローチのモデルを考えているので(空理空論ですが)、次回辺りに書ければと。