ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

イギリスの通貨とその価値

同人誌の感想を夏コミの後に何通過いただきましたが、その中に今までとまったく違う視点での指摘をいただきました。『ヴィクトリア朝の暮らし7巻 忠実な使用人』で紹介した、『ヴィクトリアン・サーヴァント』で言及されていたチップのエピソードに出てきた、「六ペンス白銅貨」という翻訳文について、「1947までは銀貨」との言及でした。



原文を読むと「SIX PENCE」としか言及されておらず、翻訳の過程で間違ってしまったようです。しかし、『ヴィクトリアン・サーヴァント』の出版から三年が経過しますが、日本でこの指摘をされた方は初めてなのではないでしょうか?



単位自体は気にしていましたが、その時期にその素材の貨幣が存在するか、という観点で物を見たことは無く、非常に興味深い指摘でした。



ご指摘くださったmetchin様は自身のサイトにて、「永遠の課題」とも言われる、「で、その時代の1ポンドって幾らだったの?」という問いかけに専門的な立場から考察を始められております。久我は1万円〜それ以上、レベルの感覚しかありませんが、本当に物価や物の価値が違う過去と現在の価値を比較することは、難しいです。



Guinea, Sovereign, Shillings