ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

基礎作り

今時点で、同人誌の資料を見直しています。少し前に執事の話を書いたのもそうした「復習」の一部ですが、同時に最終巻に向けて20世紀のメイドの勉強も進めています。以前、知り合いの方に話したことがありますが、英書とはいえ、一冊何か基礎をマスターすれば、他のはその派生で読めます。



メイドの存在感、仕事内容、役割、屋敷の暮らし、ほとんどの本は切り口が違いますが、根幹において極端に相違することはありません。故に、ひとつ確固たる基礎を作ることが、幅を広げる上で重要だと思っています。



で、その方法論で行くと、20世紀のメイドは未知の領域です。仕事内容や過ごした世界はわかっていますが、彼女たちを取り巻いた時代背景、そして政府による支援、教育環境等、明らかに19世紀までのものとは異なっており、あまりこちらへ時間を使わなかった分、基礎がつかめず、難渋しています。



使用人の手紙や資料などの多くは、使用人ブームが起こった1970年代に、その頃まで生きていたかつての使用人が残したものです。彼ら、彼女たちは必ずしもヴィクトリア朝の人々ではありません。久我はこうした資料には数多く接していますが、その一方、彼らが語っていない「政府・組合」という存在については、やばいぐらいなのです。



今、ある資料を読んでいますが、ちんぷんかんぷんです。初めてランドリーメイドを通じて「当事の洗濯」を学んだときぐらい、危険領域です。ただここで根幹をつかまなければ、先には進めないので、時代の空気を含めて、妥協しないように読んでいきます。



『ヴィクトリアン・サーヴァント』はこの点、かなり役に立ちますし、今までほとんどの資料の「最終章」にあった、「時代の変化」の章を読み進めば、きっと何か得られると思っています。



ヴィクトリアン・サーヴァント―階下の世界

ヴィクトリアン・サーヴァント―階下の世界





で、資料を久々に買いました。飛行機に乗ってやってきました。