ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『エマ』4巻

エマ (4) (Beam comix)
今日は『エマ』4巻の発売日、会社帰りに買ってきました。このところコミックスを継続して買うことも少なく、そもそも月刊誌は一切買っていませんので、段々とマンガ離れが進んでいるような。『吼えよペン』『FSS』、そしてこの『エマ』が、買い続けているコミックスです。



4巻は社交の舞台がメインになってきて、描きこむのが大変そうです。ストーリー展開も速く、駆け足で読むとぱっと終わってしまいました。この点、月刊で読んでいると余韻がありそうです。



エマを着せ替えて作者の方が楽しんでいるところはなんとも言えませんし(人のことは言えませんが)、細かい描写というのか、「実際にあったかもしれない」光景も、面白いですね。ストーリーを描くとネタ晴らしになるので描きませんが、あっという間ですし、押さえる所は押さえているなぁと。カタルシスもいいですね、描いてみたいです。



表紙絵の書斎は、映画『リーグ・オブ・レジェンド』のドリアン・グレイの書斎を連想しましたし、あとがきの両手をあげている構図がファー様に見えなくも……



ふと調べてみようと思ったのは、使用人たちが「シルクハット」をかぶったところです。御者にはそのイメージがあるのですが、従僕などは外出のとき、どうしたのだろうかと。メイドは帽子を被るなとか、規制の話は聞いたことがありますが、男性使用人はどうだったのでしょうか?



当時を描いたイラストでは、『THE RISE AND FALL OF THE VICTORIAN SERVANT』P95 に、店の前で待機する「シルクハットを被った」従僕たちが描かれていますし、他の絵でもやはり被っています。他にドラマを比較対象にあげようと思ったのですが、メイドさんを見てばかりで、ほとんど男性使用人を見ていませんでした。



未読ですが、ステッキと山高帽―ジェントルマン崇拝のイギリスなんていう本もありますので、見つけたら読もうと思います。



基本的に紳士に近い服装は「お仕着せ」だと思うのですが、18世紀的な衣装でウィッグ(かつら)を被ったイメージ(白タイツ:男)もありますし、よくわかりません。



服装とメイドの有無で人を判断するような価値観もありますので、その点を描く短編を作っていますが、描こうと思った契機は『花とアリス』です。話が脈絡も無く広がりそうなので、この辺で。