ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

DVD『Treats From The Edwardian Country House』

『Treats From The Edwardian Country House』を何気なく見ているのですが、その第二部の話というか、印象に残った話を。Hugh氏は今度は「蜂蜜」に目を向けます。



当時は蝋燭に蜜蝋(ゲームブック『ソーサリー』シリーズの魔法の触媒だったような)を使ったり、蜂蜜そのものに消毒効果?があったのかメイドさんは荒れた手に塗る薬に使ったとか、他にも家具の艶出しに使ったというので、では実際に当時の製法で作っている養蜂場へ、Goです。



養蜂場でのエピソードは特に無いのですが、自宅に戻ったHugh氏を訪ねてきた丸坊主・髭の男は、あの『The 1900 House』(NHK教育で放送されたヴィクトリア朝中流階級の暮らしを家族で再現する番組)で出てきた、「卵の白身を使った?シャンプー」を教えた当人ではないかと。



『The 1900 House』、リアル路線でしたが、「髪が痒くて仕方が無い」エピソードはあまりにもリアルすぎました。まともなシャンプー、それに豊富なお湯が無かったので、女性たちは苦しみます。そこで彼女たちは、約束を破り、勝手に街のスーパーでシャンプーを調達します。その店の防犯ビデオに写っていた姿まで放送するんですから、さすがイギリスです。



その苦しむ彼女たちに「当時のシャンプーの製法」を伝えたのが、確かこの男だったと思うのですが、当時も今も「胡散臭い」雰囲気は同じでした。Hugh氏と一緒に蜜蝋を削り、「手に塗るクリーム」、また「家具の艶出し」まで作り、大の男が二人で「当時の道具で掃除」を始めるのです!



ここでもまたあの男は、「玉ねぎの切り身」で靴を磨くなんていうレシピを持ち込みましたが、それって靴に匂いがつくのでは……やはり胡散臭いです。玉ねぎがもったいないですし。



そんなこんなで掃除をした後、Hugh氏が午後の紅茶の時間のためにお菓子を作ります。ただ、ここで彼が作ったスコーンは我々が知るものではなく、なんだか小さなパンケーキみたいなものでした。そこに養蜂場でもらった蜂蜜をたっぷりとかけ、というところで終わったと思います。



第三部はHugh氏がワイン商人(『MANOR HOUSE』でも主人の屋敷に来た人です)に会い、そこでディナーで使うワインを調達します。冒頭部分では当時安かった牡蠣の洗い方を披露してから調理して、ちょっとおしゃれな料理に仕上げていました。



その後、『MANOR HOUSE』でシェフが氷細工を作ったのを真似、現在の氷細工師のところにいき、Hugh氏でも作れないかと相談し、真珠貝をモチーフにした細工を作り始めます(チェンソーなどで)。そしてそれでディナーを飾るかと思いきや、もう少し氷の飾り皿が簡単に作れるぞと、大きなボウルに氷を放り込み、その中に小さなボウルをいれ、ボウルとボウルの間にさきほどの牡蠣の殻をさして、水をかけて凍らせるというようなテクニックも披露します。



また、今回は氷関連で話が進み、師匠を招き、当時使われていた砲弾と呼ばれる型やパイナップル型の鉄製の型でアイスクリームを作ります。それが終われば友人を招いてのディナー、というところで1枚目が終了です。そういえば『ミセス・ビートンの家政読本』を読みながら、ディナー用のナプキンを折っていました。彼はそれを完成させられなかったようですが。



2枚目は今日、これから見ようと思います。