アガサ・クリスティは世界的な大作家として知られていますが、彼女がヴィクトリア朝末期の時代に生まれ、その雰囲気を味わっていることは日本ではあまり有名ではありません。
『名探偵ポワロ』や『ミス・マープル』には数多く、メイドさんや執事といった使用人たちが出てきます。それは、彼らの姿を描くこと無しに、当時の生活を描けなかったからでしょう。
この文章が、すべてです。
『かりに今わたしが子供だったなら、いちばん寂しく思うのは使用人がいないことだと思う。子供にとって彼らは日々の生活の中でもっともはつらつとした部分なのだ』
『よくいわれているように、彼らは"自分の立場を心得ている"が、立場を心得ているということはけっして卑屈ということではなくて、専門家としての誇りを持っているということなのだ』
(『アガサ・クリスティー自伝』(上)P.58〜59より引用)
是非、ご一読下さい。