今年もいつの間にか、搬入の季節が近づいてきました。2007/08/07〜13の間で、ペリカン便の中央ペリカンセンターに届くように搬出しなければなりませんが、今年は日曜日が2回重なりそうで、平日に余裕のない会社員にはありがたいです。
コミケのサークル視点の注意事項:搬入・搬出に書いたことがほとんどすべてです。
貼り紙を忘れないこと
強いて足すならば、一番困るのは「貼り紙」です。サークル情報を書いてダンボールに貼る紙は、何日目かによって色が異なります。
1日目:緑
2日目:橙
3日目:紫
基本的にサイズはB6、このサイズでこの色にふさわしい画用紙セットが百円ショップでは売っています。なので簡単に入手できますが、紫色だけはなぜか混ざっていません。そこで毎年?半年に一度?、文具屋で紫色の紙を調達しなければなりません。
ストックして置けばいいのですが、いつも忘れてしまいます……百円ショップでは模様の入った紫っぽい大き目の紙も置いていたりするので、それで代用することもありますが、事前調達が必要なので注意して下さい。
ダンボールの箱に注意
あとは繰り返しですが、ダンボールの箱は小さめの方がいいです。完売しない限り、台車が無い限り、会場から搬出するのはあなた自身です。持ちきれないサイズのダンボールでの搬出は極力、避けましょう。
印刷所から直接搬入される場合には、巨大なダンボールの場合もありますので、自分の持ち込み分は小さめに、先に印刷所のダンボールを潰していくのがよいかと思います。
またダンボールが小さければ、搬出の回数も増やせます。宅急便受付の始まるタイミングを見越して、徐々にダンボールに在庫をつめて撤退させていくのが、後で大量の箱を持っていくという危険を避け、時間短縮に繋げることが出来ます。一人サークルでは難しいですが、友人がいるならば、協力を仰ぎ、後で楽をしましょう。
夏は特に暑いので、イベントが終わった後まで、長時間並びたくはありません。
搬入の適正部数
正直、これまでに9回参加しましたが、適正数が当たったことはありません。なので、「完売を許容するか」「完売を許容しないか」だけになるかと思います。
前回実績が最も有効な基準値ですが、ジャンルによっては夏と冬で出方や人の集まり方がまったく違います。以下、適当に変動要因を書きましたので、ご自身でご判断下さい。
環境要因
両隣のサークル
・傾向が似ていると相乗効果、違いすぎるととマイナス
・隣が来ないなどの理由で空いていると?効果
・知り合いが溜まりすぎるサークルが隣にあると、流れが邪魔になり、マイナス
人を避けるついでに一緒に避けられてしまうので。
周辺のジャンル・配置
・「創作少年・メイドジャンル」と「創作少年・メインっぽい場所」を経験
人の流れでは圧倒的に後者が多いですが、前者に来てくれる人から忘れられる可能性が高いです。
自ジャンルならば、地形効果はだいたい経験則的に30%ぐらいあります。
自ジャンル以外ですと、当選しない可能性も高いです。
・創作少女との乖離は痛い
創作少女は西に移動となりました。ジャンル的に被りもあるところでしたので、そこでサークルが分かれることで影響を受ける可能性は高いです。
天気・気温・湿度
・久我のサークルは「夏はそこそこ」「冬は夏以上」です。
雨の日はだいたい20〜30%ぐらいダウンします。
湿度が高くても同様かと。
夏はこの要因が大きすぎると感じています。
日程(お盆・大晦日)
・お盆を外しての夏コミは初めてなので、正直、わかりません。
しかし、人が減るような気がします。根拠無いです。
・大晦日
早めに帰る人が多かった気がします。
・3日開催より、2日開催の方が人が来てくれます
3日目は「男・エロ系」という強力な布陣が敷かれており、女性が来にくい傾向が見られます。冬は2日開催ゆえに当選確率は下がるものの、サークルの密度と人の密度が上がるので、結果として人が多く来る傾向がありました。
・今年の冬は怖い
久我のサークルは最近男女50%ぐらいずつになりましたが、今年の冬は大晦日開催・創作少女が2日目に移動と、3日目の訪問者が減るような流れを感じています。
ジャンル要因
アニメ化・人気作品の有無
・『エマ』効果
『エマ ヴィクトリアンガイド』が出る前や出た頃はいちばん、華やいでいた気がします。元々メイド資料本は同人ジャンル(久我が始める前)から始まっており、そこでいろいろな興味を引けたのかなぁと。
ジャンルそのものの流行と勢い
・メイドの一般化によるジャンルの衰退
強いて「メイド」を標榜する必要性というか、立場の明示というのか、そういうものが薄れているとは思います。秋葉原に見られるメイドという存在の普及によって、メイドそのものは珍しくなくなり、普通に他ジャンルでメイド服を着て、というところで拡散していっていると思います。
今のところ参加サークルさんを見る限り、新規サークルは少ない印象もあります。
「ファインダビリティ」(見つけられやすさ)
ウェブと一緒で、どんなにいいモノを作ったと自負しても、その情報が読者に届かなければ価値判断さえされません。そのためにはマーケティング的な宣伝は、必須だと思います。価値無いものを価値あるように売るという意味ではなく、自分が信じて作ったものを多くの人にわかって欲しい、という気持ちの発露として。
商業活動
いちばん大きいと思います。久我に機会は無いですが。
ネットでの活動
ホームページやブログで情報を出すことには一定の効果があります。結局、そこで同人誌に掲載されるであろう情報(イラスト・テキストなど)掲載されるわけですから、事前に読者は判断する機会を得られます。
パンフレット・カタログ掲載
同じような「メディア掲載」としてはコミケならばマンレポ、コミティアならばティアズマガジンの掲載、というのが大きな集客効果を生む可能性を秘めています。これも「普段ならば気づかないサークルだけど、接することで価値を感じて、足を運ぶ」ことへ繋がります。
久我個人もティアズマガジンの掲載サークルを見て、何度か、いい作品に出会ったことがありますし、買いに行って完売、というのも見たことがあります。
スペース
最後に、イベントで最も重要なのはスペースでの本の置き方、レイアウト、見せ方、そして売り子の態度ではないでしょうか? 多くのサークルがある中、なぜ、そのサークルの前で足を止めるのか? 自分は何を見て、どう判断するのか?
イベント参加者には余り時間がありません。また、買い物をするならば当然、値段表示が必要です。キャッチコピー、イラスト、内容などのわかりやすさが重要です。この点、久我はまだ未熟なので試行錯誤中ですが、変に勢いのあった当初は変に人を引き寄せたような気がします。
おわりに
なんとなく思いつくままに書きましたが、個々のサークルの置かれる環境によって、状況はまったく違います。しかし、どんな環境においても、「まず読まれるような、まず見つけてもらえるような」努力だけは欠かさないのが大切です。
「どんなにいい作品であっても、読まなければ価値が伝わりません」
だからこそ、いろいろな手段を講じて、最適を探していくことも同人活動の面白さだと思うのです。これはウェブにおけるサイト運営だったり、日頃の仕事だったり、いろいろなことへ繋がる経験だと思います。
「本を作った」は終わりではなく、始まりです。
あとは、必ずマンレポ、読みましょう。苦労話や失敗談を笑うのではなく、なぜそれが起こるのか、どうしたら防げるのかを当事者として考えれば、「リスクの少ない」コミケを楽しめるはずです。折角、失敗事例を共有し、また成功事例を教えてくれているのですから、使わない手はありません。