ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『The Duchess of Jermyn Street』

そういえば、伝説的なコックRosa Lewisの伝記本が家に来ていました。どのように広げるかは時間しだいですが、あっさりコックに昇進してしまって、全然他のメイドとレベルが違う感じです。



最初はメイド・オブ・オールワークからスタートします。12歳から、というのがヴィクトリア朝後半の特徴でしょうか。学校制度によって十四歳からが後の時代は主流になりますが、ここで彼女は4年の勤務を経て、転職をします。



その次の職場が亡命中のフランス貴族の屋敷なのです。Rosaの血縁はジョージ四世?でしょうかね、過去に王族と縁が深かった宝石商がいて、その人の縁で紹介されたようです。Rosaの父親自体は時計職人ですが、働きに出されているのがちょっと驚きでした。



雑談はさておき、ここで彼女はスカラリーメイドとしてスタートしますが、徐々に昇進し、フランス語も覚え、最高の紹介状を得るわけです。その後、転職した先ではあまり待遇に恵まれず、臨時の仕事で出会った女主人が、あのウィンストン・チャーチルの母親だったのです。



キッチンに遊びに来る少年時代のチャーチルを追いかけた、なんていうエピソードも出ています。



この辺ぐらいまで読みましたが、どうも伝記の筆者の方が上流階級の人のようで、苦労話や使用人の仕事自体への関心は薄く、同人誌の資料としては物足りない内容です。時間を見つけて、読み進めようかとは思います。