ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

ユーザビリティ的同人誌ページ編成

昨日はGENSHIさんより原稿をいただき、創作や同人活動についての話で盛り上がりました。物を作る人との話は有意義で、表現手段こそ違うものの、本質的なところでは重なる部分もあり、また違うところもあって、それが勉強になります。



そうしたところでもエネルギーを補充しつつ、今日は朝五時から夕方まで、ひたすら同人作業でした。主に行ったのは、小説よりも、「小説の並べ方」です。



短編小説という表現手法に今回は重きを置きました。登場人物に関する短編小説を先に書き、その後で彼らを登場させるメインストーリーを書くはずだったのですが、残念ながら、メインストーリーでは彼らの魅力を表現しきれず、短編で盛り上がったものを消しかねない構成でした。



そこで、方針を変えました。ものすごく頭を悩ませながら、登場人物がメインストーリーで登場したら、彼らのエピソードを追記する方針にしました。これですと、自然な流れで、読者を引き込める、はずだったのですが、悩みはまだありました。



自分ではそういう流れを納得していても、果たして、適切に読者に伝わるのか? 特にエピソードは過去のものとなるので、現在と過去をいったりきたりする場合、読者を混乱させずに、ナビゲートするにはどうすればいいかなど、様々なパターンを考えました。



さらにもうひとつ、今回はGENSHIさんに総勢12名にも及ぶキャラクターを描き下ろしていただきました。見開きの設定として作ったこの絵を、どのように挟み込むか? それも、今回の非常に大きな課題でした。



これは、雑誌をめくるユーザの心境になって、どういう配置が最も違和感が無く、読んでいる流れを途切れさせないか、という徹底したユーザビリティ的な意識が必要です。単純に短編集を作るだけでも、「どこの場所にイラストがあるべきか」を、ユーザのページをめくる視点で考えますが、今回は小説の構成が複雑、イラストの挟み込みも条件がある(見開きなのでページ調整が困難)など、制約も多く、今日は友人と、その辺りをシミュレートして、なんとか結論に至りました。



・読者が説明なしにわからない構成にはしないこと。

・読者が、自分がどこにいるのかわからないことがないようにすること。

・読者が、どこに何があるかを探しやすいこと。



これらはまさに、サイト設計にも言えるものです。小説を書くだけではなく、同人誌の中で様々な可能性を追求することで、こうした情報デザイン的な発想が大きな参考になりましたし、そういう話自体が面白く、「すべてのデザインには意味があるべき」という形で(それは、空白にさえも)、今回はひとまず、このレイアウトで行こうと思います。



短編小説の面白いところは、「並べ方次第でまったく面白さが違う」ことです。今後も、短編にシフトしていこうかなと、思っています。とりあえず、これからたぶん数時間かけて(現在23時)、レイアウトの再修正をかけます。その上で、明日の午後には、最後の小説を書き上げます。



さらに、残り時間を費やして、校正・練り直しを、入稿時間ぎりぎりまで行います。



P.S.気づいたことがあります。

>登場人物がメインストーリーで登場したら、彼らのエピソードを追記する方針
グラップラー刃牙』ですっっっっ……