待ち望んだミレイの美術展が八月末から開始します。久我とミレイは何気なく縁があり、ずっと気になっていました。開催してから出かけようと思います。
ジョン・エヴァレット・ミレイ展/UK-Japan2008
久我が初めてミレイを知ったのは『ヴィクトリア朝万華鏡』という、当時の絵画から社会情勢を解説する資料本からでした。
『ヴィクトリア朝万華鏡』/久我のサイトでの紹介、今はAMAZON値段ひどすぎますね
- 作者: 高橋裕子,高橋達史
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/11
- メディア: 単行本
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そこで見た『オフィーリア』の絵画は衝撃的で、そうした情景を作り出したシェークスピアも非凡ながら、絵画に仕上げたミレイも非凡だなぁと、感心しました。
その後、数年前に上野で開催された『ヴィクトリアン・ヌード展』でもミレイの絵(『遍歴の騎士』?)を見たり、或いはたまたま見ていた海外ドラマのDVD『Lillie』にミレイが登場していたりと、微妙に縁がありました。
その縁が「運命」に思えたのは、二度目の英国訪問時です。『オフィーリア』の実物を見たいとテート・ブリテンに訪問する予定でしたが、ロンドンで信じられないほどミレイの足跡を見つけました。
・聖ポール大聖堂で偶然ミレイの墓を見つける
・テート・ブリテン裏口から行ったらミレイの像に会う
・ハイドパークからの帰り道、違う道歩いていたらミレイの家を見つける
・ヴィクトリア&アルバート博物館を見上げたらミレイの像があった
(この辺は英国旅行記をご参照下さい)
意図しない限り絶対無理なものを引き当てていたので、これはもう運命だと感じ入った次第と言うか、段々と驚かなくなりましたが、そのミレイの絵画で、『オフィーリア』以外に気になっていた絵があります。
今回、テート・ブリテンにあるその絵も来てくれました。日本ではこの絵も宣伝ポスターに使っていたので、気づきました。
Mariana(1851)/リンク先はTate Britainのサイト:様々な作家の収蔵絵画が見られるので個人的によく利用しています。
美術館で初めて大きなこの絵を見たとき、「あぁ、昔の人も座っていたら腰が痛むのか」と、和みました。実際はもっと深刻な風景かもしれませんが、柔らかな女性らしいライン、綺麗なシルエット、ちょっとビロードっぽい光沢の服、そして見返り美人のような構図。正面のステンドグラスも色鮮やかで、窓の向こうに広がる紅葉の木々、そして舞い散る落ち葉と、背景世界も不思議な魅力を湛えています。
シェークスピアの作品『Measure for Measure』に基づくそうです。
もう一度、これを見れるとは幸せなことです。
日本のwikipediaよりも、海外のwikipediaの方が情報が多いので、興味ある方はご覧下さい。
Sir John Everett Millais
英語のwikipediaには記載されていますが、ミレイは批評家ジョン・ラスキンの妻と恋人関係になり、いわば略奪愛のようなことをしています。ラスキンの側に問題があったようで、「騎士のように立派だった」ミレイが保護した、というようなエピソードを、見たような。
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そのエピソードを見た本がこれですが、古本でも値段付いてしまってますね。前はそうでもなかったのですが。この本をどうして久我が知っているかと言えば、著者が英国カントリーハウス研究の第一人者マーク・ジルアード氏だからです。
結構、自分が興味を持った著者の関連本には手を出す方です。
ミレイの絵は日本人好みだと思うので、興味のある方は是非。
関連サイト/案内など
Bunkamuraジョン・エヴァレット・ミレイ展特設ページ
Sir John Everett Millais/Wikipedia
ジョン・エヴァレット・ミレイ展/UK-Japan2008