ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『一杯のおいしい紅茶』

一杯のおいしい紅茶



タイトルはヤン・ウェンリーではないです。最近になって検索をしていたら、好きな作家のジョージ・オーウェルの評論集を見つけて買いましたので、そのタイトルです。



動物農場』『1984年』などで有名な作家ですが、以前、新聞記事で「紅茶を入れるのはミルクが先か、紅茶が先か」の議論が記事になっていて、その中にオーウェルが記している文章が紹介されていました。それが、この本の最初に掲載されています。



多分、自分の年代で紅茶スキー、ブランデースキーは『銀河英雄伝説』の影響を受けているのかと思いますし、「フリカッセ」「ケルシー」という言葉には、人一倍、思い入れがあるはずです。(学生時代、友人から「フリカッセ」に動詞があると教わり、びっくりしました。PC版ゲームではオフレッサー艦隊なんて作って遊んでいたのが懐かしいです)



最近は田中芳樹の作品をほとんど読まなくなっていますが、『カルパチア綺想曲』はヴィクトリア朝が舞台です。『創竜伝』ではイギリスにも上陸しましたが、料理は散々に扱われていましたね。この評論の中でオーウェルはそうした視点と戦うべく、料理についても熱弁をふるっていて、微笑ましくもあります。



紅茶が先か、ミルクが先か、『エマ ヴィクトリアンガイド』ではミルクが先と書いてありますので、オーウェルとは反対でした。紅茶にこだわりのある人(久我にはそんなに無いです)は、ぜひ、この評論集を読んでみて下さい。