ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

映画・ドラマ

『Under The Greenwood Tree』

別に暇になったわけではないですが、英語の勉強を兼ねて(という言い訳)、イギリスドラマを堪能しております。本腰を入れて探し始めると、これが奥深いです。英文学の作家・作品の数だけ、それこそ映像化されていますから…… ほとんどがAMAZONのレコメンド、…

村上リコさんのブログにて映画情報

『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』(リンクは村上リコさんのブログへ) ケリー・マクドナルド、それにコリン・ファース、エマ・トンプソンが出ているようです。超見たいです。コリン・ファース、ダーシー卿(あの人も、いわゆるツンデレなのでしょうか…

『The Scarlet Tunic』

『The Scarlet Tunic』 トマス・ハーディの小説は偶然・運命に翻弄される人々が階級に関係なく、描かれています。そこを悲劇に見るのか、ユーモアに見るのか、見方は分かれますが、少なくとも、そこに翻弄される小説の当事者にとっては、残酷なまでの悲劇、…

トマス・ハーディ原作の映画

手元にあるものを中心にした、トマス・ハーディのDVD紹介です。意外と映像化しているんですね。 Far From the Madding Croud(『狂乱の群れを離れて』) 最高の使用人映画『ゴスフォード・パーク』で執事を演じたアラン・ベイツが主役でした。ハーディの作品…

DVD『BLEAK HOUSE』(邦題:『荒涼館』)

あらすじ ディケンズの著作の中で、ミステリ色の強い小説が『荒涼館』です。主人公は「美少女」エスタ。伯母の下で育てられた彼女は、その伯母から疎まれ、愛されずに育ちました。出生に秘密を抱える彼女は、保護者の死によって、新しい保護者ジョン・ジャー…

映画『テス』

以下、若干のネタばれがありますので、未視聴・原作を知らない方は読まないように、ご注意ください。 まえおき トマス・ハーディの作品の中で最も有名な『テス』。1970年代にこの作品は、『戦場のピアニスト』などで知られるロマン・ポランスキー監督の手に…

DVD『Fingersmith』(『荊の城』)

物語の特徴 最近、ドラマづいています。ようやく、サラ・ウォーターズの傑作『荊の城』をBBCがドラマ化した映像『Fingersmith』を視聴しました。ミステリ小説という性質上、明確にあらすじを書くのは適当ではないので、断片的に。小説の感想はもう過去に書い…

DVD『THE IMPORTANCE OF BEING ERNEST』

最初は小説から ずっと昔、『名探偵ポワロ』のドラマの中で出てきたオスカー・ワイルドの『真面目が肝要』。そこで原作に興味を持ち、1〜2年前に小説を読んだところ、電車の中にもかかわらず、ユーモアに思わず笑ってしまうほど面白い本でした。テレビの中…

『クィーン・ヴィクトリア』

以下、映画のネタばれとディケンズ『オリバー・ツイスト』のネタばれが含まれます。ご注意ください。真面目に書くと長い……反省です。 年末のコミケで悠々アソブさんよりいただいた『クィーン・ヴィクトリア』を週末に見ました。 夫のアルバート公を亡くした…

DVD『Fingersmith』(『荊の城』)

日本の「このミステリーがすごい!大賞」海外版で、『半身』『荊の城』の小説で2年連続1位を受賞したサラ・ウォーターズ。その彼女の作品が、処女作『Tipping The Velvet』に続いて、映像化されました。映像化したのはBBC。話には聞いていましたが、既にDV…

『理想の女(ひと)』

公式サイト オスカー・ワイルドの『ウィンダミア卿夫人の扇』を翻案したものっぽいです。どうして舞台がイギリスじゃないんだぁ!と叫びたくなるものの、ヒロインはあの『真珠の耳飾りの少女』で主役を演じた子(スカーレット・ヨハンソン)みたいです。あの…

ビデオ版『MANOR HOUSE』売り切れみたいですね

久我がヴィクトリア朝メイド界に影響を与えたとするならば、確実にそのひとつはこの映像資料を紹介したことです。あれから1年以上が経過しますが(2004/04/15日記)、このドキュメンタリーを見れば、人生、変わります。「屋敷・メイドさん」という世界が、…

『逆境ナイン』

今日は、大好きな作品である『逆境ナイン』の映画化公開初日、ということでファンである友人たちと見に行きました。『逆境ナイン』との出会いは今から十四年ぐらい前、パソコン雑誌『ログイン』を買っていた頃です。 当時、『ログイン』では島本先生の連載『…

『レベッカ』

ヒッチコックの作品です。『不機嫌なメアリー・ポピンズ』で、「完璧に見える前妻と、ハウスキーパーと戦う後妻」という構図で紹介されており、面白そうなので買いました。まだ見ていません。 AMAZONでは在庫切れになっていますが、安売りDVD(1500円ぐらい…

『ギャング・オブ・ニューヨーク』

昨日ちょろっと見ましたが、ヒロインの女性(キャメロン・ディアス)がメイドの格好をして屋敷に忍び込み、貴重品を盗む、という描写がありました。国はアメリカ、南北戦争の頃ですが、確かにメイド姿でした。『サハラに舞う羽根』よりも出現時間は長かった…

DVD『いつか晴れた日に』

届きました。感想はこちらに書いてあります(真ん中の方です)。以前テレビ放映したときに録画したテープは貸したまま戻ってこず、結局最初の一度しか見ていません。にも関わらず、シーンをかなり憶えている……つもりで、今回の同人誌でも何度か取り上げまし…

フェニックスと魔法のじゅうたん

今年の初めにNHKで放送した海外ドラマが12/31に再放送します。イギリスの中流家庭の子供たちが謎のフェニックスと出会う、という話です。『階段の下』もしっかり登場します。多分、ヴィクトリア朝だったと思います。 あとは海洋冒険物で20世紀初頭ですが、正…

ドラマ『Tipping the Velvet』

『半身』や『荊の城』で有名なサラ・ウォーターズの処女作である『Tipping the Velvet』のBBCドラマ版DVDを購入していたものの、なかなか見れませんでしたが、この土日でまとめて視聴しました。小説版は日本では出ていません。この小説は原作者が「読みたか…

『ハウルの動く城』

友人たちと見てきました。「ハウルの声が意外にあっている」「いつもの斜に構えた感じが無かった」のが意外でしたし、配役を知らなかった友人は最後まで気づきませんでした。映画そのものはストーリーがよくわからず、感情移入も出来ず、エピソードを詰め込…

DVD『Lillie』おまけ

『アラビアの夜の種族』表紙「灼熱の六月」フレデリック・レイトン作(表紙は元の絵の一部) 『ヴィクトリア朝万華鏡』(ASIN:4103944013)によると、レイトンもミレイもロイヤル・アカデミーの会長だったそうです。

ドラマ『Tipping the Velvet』

何度かこの日記で取り上げた、サラ・ウォーターズ。その最初?の作品である『Tipping the Velvet』がドラマになっていたと知り、早速購入しました。イギリス版でもアメリカ版でもどっちでも売っていましたが、値段では微妙にアメリカが安かったです。パソコ…

DVD『Lillie』

DVDを3話まで見ました。正しく「待ち望んでいた上流階級」の映像でした。ロンドンに出た彼女が誘われて社交の舞台に出ると、「J.E.ミレイ」(大好きな作家です)や「ホイッスラー」、「フレデリック・レイトン」という、当時を代表する画家たちの目に留まり…

DVD『Lillie』

映像資料を集めているものの、ジェーン・オースティンは時代が前ですし、『ゴスフォード・パーク』』(asin:B000069B7X) は1930年代、『MANOR HOUSE』(asin:B00009K77Y)は「エドワード朝」で、『Upstairs Downstairs』(asin:B00006BSVP)はエドワード朝以降と…

『真珠の耳飾りの少女』

映画館で予告編を見た瞬間、「メイドさん映画だ」と気づき、その帰りには劇場で前売り券を買っていたぐらいに、気になった作品なのですが……いざ上映が始まるとチケットを見失ってしまい、行く気が無くなった、という悲しい話があります。 話の流れからして当…

『キング・アーサー』

土曜日は『キング・アーサー』に行って来ました。主人公アーサーはなんとブリテンに駐留する4〜5世紀のローマ人、円卓の騎士たちはローマに支配された東方のサルマート出身の騎兵たち、という設定でした。ローマ大好きな自分としては、これだけでもう負けま…

映画『スチーム・ボーイ』

前評判が非常に悪く、自分自身でも予告編を見る限りでは「絶対駄作」と思っていた『スチーム・ボーイ』、面白かったです。公開初日の今日、新宿で封切りを見てきましたが、少なくとも『ハリー・ポッター』の3作目よりは評価が上です。 肝心の背景描写はすさ…

映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

昨日は『ハリー』を見に行きましたが、スタッフロールの長さ(5〜10分)にげんなりしてしまい、いつ終わるのかいつ終わるのかと思ううちに、映画の印象がほとんど残りませんでした。正直なところ、画面の色彩が暗すぎて風景を好きになれない、ホラーっぽく作…

DVD『Treats From The Edwardian Country House』

この時間に帰ってくると、日記に書くような素材もないのですが、ひとつ思い出したネタを書こうかと。 使用人映画として近年、大きな影響を与えた『Gosford Park』の映画パンフレットを読み直していると、コックを演じた女性は『Upstairs Downstairs』の脚本…

DVD『Upstairs Downstairs』

そんな話はさておき、ようやく5シリーズ全68話の『Upstairs Downstairs』を見終わりました。驚いたことに、ヒロインGeoginaの危機を救い、結婚した貴族(侯爵?)の青年は、このDVDを買うよりも前に買った、『Brideshead Revisited』でセバスチャン役を演じ…

『花とアリス』

このところ忙しい週末を過ごしており、二日続けて家にいるということがありませんでした。創作もさっぱり進まず、今週末は、と思っていましたが、結局、前売り券を買っていた岩井俊二監督の『花とアリス』を見に行きました。 『花とアリス』は中学生の少女「…